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決定版 ナチスのキッチン 「食べること」の環境史

セール価格 2,970円(税込)

ナチスによる空前の支配体制下で、人間と食をめぐる関係には何が生じたのか?

システムキッチン、家事労働から、食材、そしてエネルギーにいたるまで、台所という「戦場」の超克を試みた、来るべき時代への「希望の原理」。新発見の事実や貴重なレシピをはじめ、未刊行資料・図版などを多数収録。

■目次

・序章 台所の環境思想史

歴史の基層としての台所/テイラー・システムとナチズム/台所の変革者たち

台所をどうとらえるか 定義とアングル

・第1章 台所空間の「工場」化 建築課題としての台所

ドイツ台所小史/ドイツ台所外史/第一次世界大戦の衝撃/

フランクフルト・キッチン/考えるキッチン/ナチス・キッチン?/

労働者約一名の「工場」

・第2章 調理道具のテクノロジー化 市場としての台所

電化される家族愛/台所道具の進歩の背景/マニュアル化する台所仕事

市場化する家事/報酬なきテイラー主義の果てに

・第3章 家政学の挑戦

家政学とは何か/家政学の根本問題/家政学の可能性と限界

家政学のナチ化/家政学の戦時体制化/家政学が台所に与えた影響

・第4章 レシピの思想史

ドイツ・レシピ少史/読み継がれる料理本/企業のレシピ/

栄養素に還元される料理

・第5章 台所のナチ化 テイラー主義の果てに

台所からみたナチズム/「第二の性」の戦場/「主婦のヒエラルキー」の形成/

無駄なくせ闘争/残飯で豚を育てる/食の公共化の帰結

・終章 来たるべき台所のために

労働空間、生態空間、信仰の場/台所の改革者たちとナチズム/

ナチスのキッチンを超えて

・「食べること」の救出に向けて あとがきにかえて

付録1 ベストセラーの料理本

付録2 ダヴィディス著『実用的料理本』の版別レシピ構成

付録3 ハーン著『実用的料理本』の版別レシピ構成

著者:藤原辰史

出版社:共和国

サイズ:四六

ページ数:478

発行年:2016.07