「レンブラント」でダーツ遊びとは 文化的遺産と公の権利
建築や美術品などの文化的遺産が公共的蓄えであるというのは、自明なようであるが、問題はそれほど単純ではない。たとえばレンブラントの絵の所有者がその絵を標的にしてダーツ遊びをやったとしても、なんら法律にもとることはないし、私的な束縛を受けることもない。それでは問題はどこにあるのか。美術品の所有者が自分がしまいこんでいたすぐれた絵画を破壊したとして、なぜ第三者が傷つくのであろうか。どのような解決の道があるのか。
■目次
・序説
・第一部 美術品
ディエゴ・リベラの壁画
芸術家の権利と公共の権利
忠誠心故のたき火と決断できずに燃やす人
アメリカの建築遺産
ソーク研究所論争
グッゲンハイム、ホイットニーおよびキンベルなどをめぐる諸論争
ソーク研究所につき最後にもう一言/ペン・セントラル判決
収集家=私人の悪徳、公共の利得
・第二部 文書類の行先
大統領の文書類
最高裁判所の判事たちの文書類
図書館および美術館コレクションの利用
相続人、伝記作家および学者
・第三部 骨と皮ばかり
際立った学会の醜聞 死海写本
学術的研究成果の私有化
古代遺跡をめぐってのビジネス
・結語
著者:ジョセフ・L・サックス・、都留重人、監
出版社:岩波書店
サイズ:四六
ページ数:384
発行年:2001.02
