コンクリートの文明誌
ローマは一日にして成らず。格言に引かれる未曾有の都市国家も、コンクリートなしにはありえなかった。人間社会の基盤を支えるその姿は、華麗というより木訥。本書は、そんな建設資材の視点から描いた文明の物語である。著者が、古今東西を見聞し、縦横無尽に書き下ろすライフワーク。
■目次
・第1章 すべての道はローマより発す-古代都市国家とコンクリート
1 火山灰が原料?/2 ローマ人と公共事業/3 廃れゆく遺物
・第2章 二千年の闇をぬけて-近代文明とコンクリート
1 スミートンの着眼点/2 近代化をささえた鉄筋コンクリート/3 「アメリカの世紀」をささえた巨大公共事業/4 横浜築港とコンクリート亀裂事件
・第3章 激動の時代のなかで-総力戦とコンクリート
1 帝国自動車国道/2 硫黄島の「防波堤」
・第4章 戦後復興とともに-高度成長とコンクリート
1 戦後集合住宅私的変遷史/2 夢の超特急の影で
・第5章 シヴィル・エンジニアへ-現代日本とコンクリート
1 コンクリートから見た日本と西欧/2 土建屋とシヴィル・エンジニア/3 コンクリートの美学
著者:小林一輔
出版社:岩波書店
サイズ:A5
ページ数:258
発行年:2004.11
