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古建築を受け継ぐ メンテナンスからみる日本建築史

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世界最古の木造建築・法隆寺をはじめ、日本に多くの歴史的建造物が現存する背後には、維持管理のための不断の営みがあった。式年造替から遷都にともなう移築、被災からの復興、応急処置に至るまで、日本古来のメンテナンスをめぐる体制・技術・理念を通覧。多彩な継承の歴史を繙き、未来へと紡ぐ、画期的な建築思想史。

■目次

まえがき

序章 建築メンテナンスの歴史を考える――最古の木造建築・法隆寺の事例から

Ⅰ部 木造建築をいかに受け継ぐか

第一章 木造建築のライフサイクルと修理サイクル

第二章 神社建築の式年造替

第三章 一代限りから恒久化へ

コラム 1 地下に残るメンテナンスの痕跡

II部 建築メンテナンスの歴史と社会

第一章 修理への目覚め――奈良から平安へ

第二章 新技術の修理への導入――鎌倉・室町

第三章 諸寺社・御所の再興と民家の長寿命化――戦乱から近世へ

第四章 〈文化財〉としての制度による保護――近代から現代へ

コラム 2 古建築の蒐集と場所の継承

III部 古建築継承の理念――建築メンテナンスの思想史

第一章 マテリアルの継承――物質的継承による価値の創出

第二章 イメージ〈規範〉の継承――受け継がれるもの、受け継がれないもの

第三章 継承のなかの革新――流行への順応

第四章 応急措置の諸相――つっかえ棒から移築まで

第五章 場所性の超越――建物・部材の移動による保存

第六章 拡張と縮退――変容しつつ継承される古建築

コラム 3 中国における力業の修理と「似合わせ」

終章 建築のライフサイクルを考える

用語集

日本建築の様式と各部位名称

主要参考文献

図版出典一覧

あとがき

著者:海野聡

出版社:岩波書店

サイズ:四六

ページ数:392

発行年:2024.07