惜櫟荘だより
1941年、岩波茂雄は静養を目的とし、熱海に惜櫟荘を建てた。建築家・吉田五十八が手掛けたこの名建築を、著者は縁あって譲り受け、後世に残すべく修復保存を志す。設計図もない中、手探りで解体・復元作業が進められ、やがて趣向に満ちた創造性が明らかになる興味深いエピソードも交え、惜櫟荘完成までをつぶさに綴る。
■目次
文豪お手植えの/仕事場探し/鮑と文庫/ティオ・玲二
五十八の原図/惜櫟荘解体/作家と教師/逗子のライオン
四寸の秘密/詩人と彫刻家/上棟式の贈り物/五十八の灯り
ベトナムへの旅/ホイアンの十六夜/一間の雨戸
画家グスタボ・イソエ/翌檜の門/書の話
児玉清さんと惜櫟荘/呼鈴と家具/自然の庭/遅い夏休み
修復落成式(一)/修復落成式(二)/松の話
・あとがき
著者:佐伯泰英
出版社:岩波書店
サイズ:四六
ページ数:219
発行年:2012.06
