磯崎新建築論集6 ユートピアはどこへ 社会的制度としての建築家
社会の近代化過程において明確であった建築家のテーマが、1970年前後を境に拡散し曖昧になり、建築におけるユートピア像も失われていった。その過程を辿りなおすことで、目的を見失い「不全症候群」に陥ってしまった<建築>がいま模索すべき道を問う。文化としての建築、思想としての建築の可能性を示唆する挑発的考察。
■目次
・反回想6 ユートピアはどこへ(著者解題)
・I 近代国家の建築家 テクノクラート・アーキテクト
1950年の梁思成と丹下健三
・II ユートピアがまだあった頃
フーリエの「ファランステール」
レオニドフの「太陽の都市」
テラーニの「ダンテウム」
セドリック・プライスの「シンクベルト」
附記
・III ユートピアに翻弄された戦後日本
前記
八田利也の「小住宅設計ばんざい」
神代雄一郎の「巨大建築批判」
宮内康の[建造物宣言」
附記
・IV ユートピアが死んだ頃
「建築の解体」症候群 主題の不在
・V 現代社会の建築家 システム・アーキテクト
建築=都市=国家・合体装置
「都市」はアーキテクチュアか
・解説 藤村龍至
著者:磯崎新、藤村龍至(編集協力)
出版社:岩波書店
サイズ:四六
ページ数:325
発行年:2013.10
