伽藍が白かったとき (文庫版)
文庫版で復刊。 1936年、二つの大戦に挟まれたフランス文明の危機の時代に書かれ、高名な建築家が当時親しく見聞したニューヨークの都市計画建築を素材に、新しい文明の姿を模索しつつ、機械時代の文明の在り方を鋭く批判した名著。
■目次
・まえがき 前川國男
・日本版へのまえがき
・原著まえがき
・第一部 環境
I 事物の偉大さ
伽藍が白かったとき
II 精神の頽廃
新聞の見出し/金銭/ベリグーのサン・フロン聖堂/ボルドー駅/ラウル・ドートリ氏は語る/正確な空気/ただし市会は・・・の権利を保留する
III 真実の性質
偉大さは精神の中にある
・第二部 U・S・A
I 世界の都市
状況の読み手/旅行の動機/ニューヨーク、垂直の都市
II 私はアメリカ人です
私はアメリカじんです/ニューヨークは終わった都市ではない/それは野蛮な都市だ!/街路は直角となり、精神は解放される/直角、精神のしるし/ニューヨークの摩天楼は小さすぎる!/摩天楼は建築家より偉大である/穴蔵の中!/獲得されたもの/一日、百五十万台の自動車/都市には木がない/建築的名所/輝かしい美の場/巨大なブルックリン橋/グランド・セントラル駅/郊外鉄道/仙境的破局
III フランス-アメリカ
アメリカよ、あなたは強い/自慢/それは癌?/「プラザ」でのビジネスの昼食会/ボストンにおけるビジネスマンの晩餐/フィラデルフィアのアルバート・バーンズ氏/インディアン襲撃は遠い昔のことではない/次第に強く/パリの国立美術学校
IV 精神の探索と表白
精神の探索/電灯の精神と現代生活の本能/誰もがスポーツ好き/カラヴァッジョとシュルレアリスム/硝石/ニューヨークの「キャッツ・ザール」/二つに割れた家庭/葬式精神/機械の精神とアメリカの黒人/五番外のマネキン人形
V 共同のプランと仕事の必要
フォードについての考察/大きな浪費(シカゴにおける講演)/事実に精通していない行政当局/アメリカの問題はどこに?/質問に対する答/世界の暦のなかで
・ニューヨークよ、さようなら!
・あとがき
・文庫版へのあとがき 樋口清
著者:ル・コルビュジエ、生田勉、樋口清
出版社:岩波書店
サイズ:文庫
ページ数:398
発行年:2007.07
