迷宮としての世界 上
自然の客観的描写を超克したルネサンスの理想化的表現。しかし、ミケランジェロにはすでに調和的な古典主義とは異なる表現が現われていた。主観的な精神の創造力に価値をおくマニエリスムは、近代的な美術の出現とともに20世紀に復権した。世界を迷宮としても表現するマニエリスムを膨大な例証によって詳説する。(全2冊)
■目次
・凡例
・序 ヨーロッパ芸術におけるマニエリスム
・I
緒言
1 最初の衝撃
2 優美と秘密
3 蛇状曲線的(セルペンティナータ)-痙攣的
4 「イデア」と魔術的自然
5 綺想異風派(コンチェッティスモ)
6 没落のヴィジョン
・II
7 美と恐怖
8 不安と好奇
9 天使城(カステル・サン・タンジェロ)
10 時間の眼としての時計
11 人工の自然
12 奇妙な神話
・III
13 迷宮(ラビリンス)としての世界
14 抽象的隠喩法
15 キュビスムの先達と後裔
16 イメージ機械
17 古今の構成主義
18 円と楕円
著者:グスタフ・ルネ・ホッケ、種村秀弘、矢川澄子
出版社:岩波書店
サイズ:文庫
ページ数:445
発行年:2010.12
