小さな建築
強く合理的で大きなシステムは、大災害の前にもろくも崩れ去る。大きなものに依存する受動的存在ではなく、小さく自立した能動的な存在として「小さな建築」は人間を世界とつなげる。小さな単位を「積む」、大地に「もたれかかる」、ゆるやかに「織る」、空間を「ふくらます」、斬新な発想から建築の根源を問う。
本書では、多数の図版とともに、西洋古典主義建築からモダニズムまでの流れを見渡し、ミース、コルビュジエ、フラー、黒川紀章、ゴットフリート・ゼムパーらの仕事を振り返りつつ最新作を語る。
■目次
・積む
小さな単位
水のレンガ
小さな住宅ーウォーターブランチ
流れ、自立する建築
・もたれかかる
強い大地にもたれかかる
生物学的ーアルミと石の「もたれかけ」
蜂の秘密ーハニカムが生み出す空間
・織る
木を織るー「千鳥」のミュージアム
雲のような建築ータイルを織る
カサ・ベル・トゥッティー フラー・ドームから傘のドームへ
・ふくらます
フランクフルトのふくらむ茶室
空間を回転し、開く
著者:隈研吾
出版社:岩波書店
サイズ:新書
ページ数:204
発行年:2013.01
