「もの」の詩学 家具、建築、都市のレトリック
座った姿勢の政治的権威よりも身体の快楽が推し進めた椅子の変容の歴史、「もの」の蒐集から仏革命をへて美術館・博覧会へと至る欲望の変容、キッチュ王ルートヴィヒ2世が心血を注いで築城したまがいものの城、巨大主義に取り憑かれたヒトラーの建築都市。「もの」に凝縮されている文化や社会の無意識を探る記号論的思考の労作。
1984年に刊行された『「もの」の詩学 ルイ14世からヒトラーまで』の副題を改題し、構成を集成した新編集版。
■目次
・第一章 「もの」と身体
一 文化を創造する身体/二 椅子の変貌/三 儀礼と快楽/四 家具の政治学/五 象徴としての椅子
・第二章 コレクションから展示へ
一 「もの」を蒐集する/二 美術館と「芸術」の発生/三 革命の祝祭/四 博覧会という祭り/五 ブルジョワジーの時間
・第三章 虚構の王国
一 ルートヴィヒ二世の城/二 一九世紀の帝国幻想/三 蕩尽と聖なるもの
・第四章 ヒトラーの都市
一 ナチズムとモダニズム/二 独裁の現象と公理/三 「力」の仕掛け
・注
・岩波現代文庫版へのあとがき
著者:多木浩二
出版社:岩波書店
サイズ:文庫
ページ数:309
発行年:2006.01
