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茶室学講義 日本の極小空間の謎

セール価格 1,276円(税込)

二畳という極小の建築に、利休はすべてを封じこめた。

利休の「待庵」は二畳に土壁と炉のある、建築の極小単位だった。茶室の起源から建築家による現代の茶室までを辿り、自らも茶室を手がけ、藤森流茶室論を語る。最終章に磯崎新との茶室談義を収録。

■目次

・第一章 茶室に目覚めたわけ

  私と茶室/アフタヌーンティーの初体験

  コーヒーはトルコ風、煙草はエジプト風

  中国茶との出合い/台湾茶紀行/骨董としての茶葉

  中国における茶室/台湾の茶文化

  日本の茶室の不幸/茶室観を変えた二つの茶室

・第二章 日本の茶室のはじまり

  婆娑羅と闘茶/日本の住まいの歴史

  日本最初の茶室とは/闘茶の果たした功績

  闘茶から殿中の茶へ/部屋と床の間の誕生

  殿中の茶が営まれた空間/建築と茶のピークの時代

  信長の茶と秀吉の茶

・第三章 利休の茶室

  わびとしての茶の湯/珠光の茶室、紹鴎の茶室

  躙口の起源/「市中の山居」の出現

  千利休の登場/信長の名物狩り/信長と利休

  待庵の誕生/待庵の建築構造/利休の囲い

  ブリコラージュという方法/草庵茶室最後の謎

  利休と秀吉/一休の悟りにはじまる

  一休と森侍女/上座部の茶の完成

・第四章 利休の後

  利休没後の茶室/利休後の四人

  江戸期における茶室の没落

  極小が揺るがす日本建築史/数寄屋造の誕生

  煎茶の茶室/煎茶席の作り

・第五章 建築家の茶室

  ヨーロッパから来た建築家と日本の伝統

  辰野金吾と伊東忠太/利休このかた、初の茶室論

  武田五一とアールヌーヴォーの出合い/後継者、藤井厚二

  欧米での脱歴史主義(バウハウスとデ・スティル)

  堀口捨己の登場/二つ目の茶室論の誕生

  現代の茶室、紫烟荘/生活構成の芸術としての茶

  岡田邸と御幸の間/茶室の閉鎖性と数寄屋造の開放性

・第六章 戦後の茶室と極小空間

  茶室に近寄らなかった堀口以降の世代

  村野藤吾と白井晟一の反時代性

  ポストモダンの誕生/藤森流茶室論

・第七章 茶室談義・磯崎新に聞く だから、茶室はやめられない

  ジョンとヨーコの幻の和室/日本の文化を伝達する

  遠州の「隅掛け」/ヤニっぽいものはやるな

  丹下健三と岡本太郎/フォリーと草庵

  孤庵の写しを作る/衣服に一番近い建築

著者:藤森照信

出版社:KADOKAWA

サイズ:文庫

ページ数:348

発行年:2019.11