家づくり建築家の知恵袋 「子ども部屋」のために家を建てるな
家を建てるということは、家族のホンネのぶつかり合いだ。夢と現実、「できること」と「できないこと」のせめぎ合いなのである。家づくりは、ある意味で夫婦の試練とも言える。「家をつくる」という大事業を境に夫婦関係ががらりと変わる。言ってみれば夫婦の対決だ。「コイツこんなことを考えていたのか!」「えっ、アナタそういうつもりだったの!」どこの家庭でもそういう瞬間がある。私自身がそうだった。しかし、大喧嘩をくり返してよかったと思う。それがあったからこそ、私たち夫婦の、私たち家族の家ができたという実感がある。家づくりにあたって、夫が無関心を装うということは、家づくりのドラマに参加しないということだ。その結果、新しい家で夫も父親もいない「家族のドラマ」が始まってしまう。
著者:天野彰
出版社:講談社
サイズ:B6
ページ数:204
発行年:2000.08
