
山に立つ神と仏 柱立てと懸造の心性史
柱を立てるとはどういう行為だったのか。神を祀り天地の通路を探った古代人の憧憬は、高く太い柱を求め、さらに神仏の近くへと山に分け入る。山中の聖なる岩座に建てられる堂舎は懸造と呼ばれ、人々が観音や権現に伏し、籠もり、修行する拝所となる。山中の岩、窟、湧水に神仏を感じ霊験を求める日本人。形としての山岳建築に、浄所への畏敬と崇拝の心性を読む。
■目次
・第1章 遥拝すること・立てること―神を祀る柱
・第2章 山の浄所に籠もる浄行僧
・第3章 「懸造」という名称の由来
・第4章 岩座と湧水信仰の建築
・第5章 仏堂と社殿の重層空間―神仏混淆の中の懸造
・第6章 祀り拝む場のしつらえ
・第7章 近世懸造の姿はどう変わったか
・終章 垂直性に惹かれる心
著者:松﨑照明
出版社:講談社
サイズ:四六
ページ数:288
発行年:2020.05