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木のいのち木のこころ (天・地・人)

セール価格 943円(税込)

法隆寺を1300年守ってきたのは、職人の手から手へと引き継がれてきた技と知恵。それは決して言葉にできない手の記憶である。「最後の宮大工」西岡常一が木と人の育て方を語る(天)の巻。三度追い返されながらも遂に西岡の唯一の内弟子となり、夢を実現させた小川三夫が、宮大工の未来を語る(地)の巻。さらに小川が主宰する鵤工舎の若者19人へのインタビュー(人)の巻。聞き書きの名作。

■目次

・天

I.宮大工という仕事/木を長く生かす/木の二つの命/礎石の大切さ/木の触り心地/飛鳥の工人に学ぶ/古い材は宝もの/千年の命の木を育てる/宮大工棟梁の自然観/道具と大工の魂/創りたいもの/経験という学問/大工だからこそわかること/学者と職人

II.徒弟制と学校/教えるということ/芽を伸ばす/育てるということ/無駄の持つ意味/褒めること/癖のある木、癖のない人/おじいさんの教え/法隆寺棟梁三代目/息子に継がせなかった理由/夫として父として/思い出に残る人々/法隆寺大工の口伝/巡り合わせた時代のこと

・地

I.塔を造る宮大工になりたい/入門までの棟梁の手紙/父親の反対をふりきって/棟梁と二人だけの法輪寺/弟子入りの儀式/法輪寺の中断、薬師寺金堂の再建/法輪三十塔の副棟梁に/死際に見た西岡ソウ光の職人魂/棟梁の弟、ソウ二郎の名人芸/高田好胤師の一言/道具のこと/西岡棟梁の教え方/兄弟弟子の話/わからないことを聞くときは/図面を読め、見たらあかん/法隆寺の鬼/最後の大木/法隆寺は大工の教科書

II.食えない宮大工を食える宮大工に/技能集団「鵤(いかるが)工舎」の設立/独立後、初めての仕事/弟子を取る/千年という時間/鵤工舎の徒弟制/初めの仕事は炊事と洗濯/体で覚える/時間をかける/大きな部材をまかす初仕事/道具をこなす/機械を使わない理由/新弟子の面倒を見る/ゲンちゃんのこと/息子・量一のこと/失敗したときは/宮大工としての自分の仕事/現在の悩みと将来

・人

I.親方・小川三夫の考え方

「鵤工舎」の発足/親方・小川三夫、鵤工舎を語る/学校ではない/入舎希望のこと/鵤工舎の今後/将来のこと/なぜ飯を炊かせるか/種をまく/歪むことも大事/ジレンマ/修業留学/鵤工舎の入舎式

II.鵤工舎の弟子たち

鵤工舎の二宮金次郎像/弟子たちの生活/大工・北村智則/大工・大堅工樹/大工・角間信行/引頭・松本源九郎/引頭・千葉学/引頭・中澤哲治/引頭・饗場公彦 ほか

III.西岡常一から孫弟子たちへ

西岡常一から孫弟子へ伝えたもの/新たな旅発ち

著者:西岡常一、小川三夫、塩野米松

出版社:新潮社

サイズ:文庫

ページ数:562

発行年:2009.04