いい家は「細部」で決まる
初心者はインテリアに目を奪われるが、住宅通は家のすみずみに目を凝らす。心地よさ、堅牢さ、収納力-いい住まいとは「いい部品」の見事な結集なのだ。大きな柱や壁から、普段は隠れた釘や鉄筋まで52品目を厳選、それぞれの歴史と物語を綴る。我が家が違って見えてくる、新たな愉しみをこの一冊で。
■目次
1. 蛇口はなぜ「蛇」なのか 室内の部品篇
・敷居 しきい なぜ踏んではいけないのか
・襖 ふすま 気配の伝わる「壁」の効用は
・畳 たたみ 京間と江戸間はどれほど違うか
・押し入れ おしいれ 「生みの親」はあの寝具
・大黒柱 だいこくばしら 「大黒」は何者なのか
・欄間 らんま 隙間は何のためにある?
・廊下 ろうか 「江戸城松之大廊下」は何mあったか ほか
2. 釘が何本あったら家が建つか――家屋の素材篇
・釘 くぎ 「和釘」はなぜ消えたのか
・合板 ごうはん 無垢板より劣っているのか
・螺子 ねじ 雄と雌がいるのをご存知ですか?
・和紙 わし なぜ西洋紙は100年もたないか
・土 つち 土壁はどうやって作るのか
・合成樹脂 ごうせいじゅし 家のどこがプラスチック製か
・ゴム コロンブスが発見したもうひとつのもの
・コンクリート】古代ローマ人はなぜ巨大建築を遺せたか ほか
3. 「うだつ」のある家、見あたらない家 外回りの部材篇
・網戸 あみど お姫様の輿入れ道具が進化して
・サッシ 複合サッシは何がすごいか
・シャッター 第一号は日本銀行本店に
・庭 にわ 京都の町家「走り庭」に学べることは
・鍵 かぎ ルイ16世も夢中になった「権力の象徴」
・インターホン もうピンポンダッシュはできません
・瓦 かわら 地震に弱い、は本当なのか
・卯建 うだつ 「あがらない」の意味するところは ほか
著者:永江朗、大和ハウス工業総合技術研究所
出版社:新潮社
サイズ:新書
ページ数:190
発行年:2012.07
