物語 ジョサイア・コンドル 丸の内赤レンガ街をつくった男
東京丸の内に2009年秋、明治時代の赤レンガビルが甦る。それを期して、同ビルを造り上げた「お雇い外国人」建築家の苦悩と努力の生涯と、モダンなオフィスタウンはいかにして出来たのかを現代に紹介する。
■目次
・プロローグ モダン・トラベラーと赤レンガ
・第一章 本物を探せ
鹿鳴館の噂、表と裏/ピエール・ロチと井上/お雇い外国人の役割/日本への誘い/ベルツの刺激/役人の悪知恵
・第二章 「コンドル先生」の来日
赤レンガ住宅で生まれたコンドル/新しい時代を意識し始めたコンドル/霊峰富士/横浜から東京へ/翌日教壇に立つ/キングス・イングリッシュ/東京見物/かたちの違い/花魁「あさ」/コンドルの講義
・第三章 西洋建築は日本に合うのか
万博とコンドル/女王陛下の万博/万博とゴシック・リバイバルの原点/曾禰と辰野の赤レンガ議論/ゴシックを造って貰いたい/誤解の始まり
・第四章 美しい日本とコンドルの苦悩
川鍋暁斎との出会い/コンドル式洋風建築/キリスト教・イスラム教・仏教
・第五章 夢の皇居造営計画
コンドルの意気込み/主席辰野金吾、次席曾禰達蔵/新宮殿と鹿鳴館/榎本武揚の登場/榎本と渋澤/榎本登場とコンドル/計画破綻の真相とコンドルの怒り
・第六章 甦るコンドル
追い討ちを掛けた官庁造営計画失敗/美しい人との出会い/ロンドンか東京か/三菱が掴んだコンドル/故郷は日本
・第七章 丸の内ビジネスタウンの建築
目指すビジネスの記念碑/渋澤の戦略戦術/渋澤に勝った岩崎/コンドルの新婚旅行/夢の赤レンガ街でモダンタイムを
・第八章 赤レンガ街の歴史はじまる
初動/どっちが先か/福澤諭吉の要請/工事着工遅延の理由/コンドルが倒れた/何度も見直す設計図/最高のレンガを造れ/赤レンガタウン-「ロンドン一丁街」と「仲通り街」
・エピローグ
・あとがき
・主な参考文献
著者:永野芳宣
出版社:中央公論新社
サイズ:四六
ページ数:277
発行年:2006.10
