ル・コルビュジエを見る 20世紀再考の建築家、創造の軌跡
ル・コルビュジエのお洒落で格好いいイメージは、建築専門誌以外でも特集が組まれることが多く、広く知られている。いったい、彼の建築のどこが人々を魅了するのか。本書は彼が遺した膨大な作品群の中から初期のサヴォワ邸と後期のロンシャン教会堂という「世紀の名作」を軸として彼の建築物の新しさ・美しさはどこにあるのかを解き明かしつつ、一人の建築家の二十年の変化と、日本の建築家に与えた影響を探る。
■目次
・プロローグ 「透明な絵画」から「透明な都市」へ
・第1章 革新 幾何学の美
1 三つの出発点/世紀末、ドミノ、シトロアン
2 「白い箱型」の追求/新しい魅力、新しい原理
3 空中での完結/サヴォワ邸の成立
・第2章 変貌 幾何学からの転身
1 ポスト・サヴォワ邸問題
2 1929年の試み
3 石壁、洞窟、影、渦巻き
・第3章 成熟 集合、都市、闇
1 もうひとつの「世紀の名作」/マルセーユのユニテ(1952)
2 豪雨と灼熱の都市/インドのチャンディガール
3 問いかける建築/ロンシャン教会堂(1955)
・第4章 日本への影響
1 直弟子たち/坂倉準三、前川國男、吉阪隆正
2 日本のル・コルビュジエ/丹下健三
3 否定精神と読み直し/磯崎新、安藤忠雄、伊東豊雄
エピローグ 遺言/ラ・トゥーレット修道院(1959)
著者:越後島研一
出版社:中央公論新社
サイズ:新書
ページ数:212
発行年:2007.09
