パリのグランド・デザイン ルイ十四世が創った世界都市
フランスが世界に誇る「花の都」パリ、そしてヴェルサイユ宮殿。これらを形作ったのは、ルイ十四世の治世に花開いた「グランド・デザイン」の思想だった。当時のフランスは、世界を席巻していたバロックに背を向け、徹底した計画志向の下でニュータウンを建設し、パリの街並みを整備し、ついにはヴェルサイユ宮殿を造営した。駆け引きに満ちた宮廷政治と、個性豊かな建築家たちの物語を通して、近代都市の源流に迫る。
■目次
・序 グランドデザインの思想
・一 リシュリューのニュータウン
1 リシュリュー枢機卿の造営事業/2 リュクサンブール宮殿との競い
3 ロワールのニュータウン/4 早すぎた実験
・二 森の城館
1 「眠れる森の美女」のなかの城館/2 森と狩/3 シャトーの時代
4 ディアーヌ・ポワチエとアネの城館/5 「アパルトマン」の成立
・三 フランソワ・マンサールとフランス古典主義
1 マンサード屋根/2 フランソワ・マンサール
3 フランス式城館のつくり方/4 メゾンの城館
・四 王の寝室
1 嫌われたルーブル宮殿/2 建築家ルイ・ルヴォーの登場
3 楕円の構図/4 ヴェルサイユへの転身/5 包み込む建築
6 建設総監ジュール・アンドゥアン・マンサール/7 世界の中心
・五 アカデミーと新旧論争
1 アカデミーの成立/2 建築アカデミー
3 フランソワ・ブロンデル/4 新旧論争
・六 ルイ十四世の都市計画
1 都市計画としての道路整備/2 広場の建設/3 大造営
4 地方都市の国王広場
・七 ルイ十五世広場の設計競技
1 国王広場建設の決議/2 1748年の設計競技/3 新しい敷地
4 1753年の設計競技/広場
・八 穀物取引場とフリーメーソン
1 ソワッソンの邸館/2 カトリーヌ・ド・メディシスの大円柱
3 穀物取引場/4 日時計とストーンヘンジ/エトワール・ポレール会
・あとがき
著者:三宅理一
出版社:中央公論新社
サイズ:新書
ページ数:276
発行年:2010.03
