郊外はこれからどうなる? 東京住宅地開発秘話
高い理想の下につくられ、マイホームへの憧れとともにあった東京郊外。その知られざる開発秘話を掘り起こし、光と影を検証する。30年間、郊外を市場調査・研究してきたパイオニアが、「山の手」と「下町」の推移、「逆開発」のまちづくり等を説く。東京郊外論の基本常識。
■目次
・第1章 第四山の手論
『「東京」の侵略』/東京の地形、山の手と下町/第一山の手/第二山の手/第三山の手/第四山の手ゾーン/新コンセプト誕生まで/第四山の手論はパルコの増田通二氏の個人的体験から生まれた/第四山の手論が現実になった瞬間
・第2章 東京は増加する人口を呼吸してきた
江戸時代の東京/明治期 鉄道の発展とともに東京が発展した/海外の都市の人口との比較/昭和の「大東京」時代/東京は工業都市だった/第三山の手時代に住宅地はどこで建設されたか?/1873年の日本の都市別人口ランキングの上位5都市はどこ?/流入した人のほとんどが若者だった/郊外へ/バブル期、人口はどの地域で増えたのか/バブル期、どこにどんな名前のマンションが建てられたか?/横浜対川崎。たまプラーザ対豊洲/都心人口の推移
・第3章 山の手の条件
山の手と下町の格差/山の手と下町の関係も変化した/東側の発展/西側だけでなく東側でも郊外化が進んだ/第五山の手はあるのか?
・第4章 郊外の文化論
なぜ郊外の文化論に着手したか/アメリカの影響、団塊世代との関係/ジャパニーズWASP/「Populuxe」との出会い/レヴィットタウンとは/なぜレヴィットタウンが必要だったか/アメリカの豊かさが日本人の憧れだった/当時の大衆文化とは/データで見るアメリカの豊かさ/ニューヨーク万博と郊外化/専業主婦はアメリカの兵器だった
・第5章 郊外の歴史と問題
レッチワース/いろいろな人がいるのがほんとうの田園都市/アメリカの郊外はどのようにして生まれたか?/原点は、イギリスのバーケンヘッドパーク/ラドバーンはどんなまちか?/郊外の問題点 1 ジェンダー分権/郊外の問題点 2 若者の反抗、黒人の排除、環境の悪化/ニューアーバニズム/コミュニケーションのデザイン/マウンテンヴュー 商店街の活性化にはなにが必要か?/子どもを育てる「街育」
・第6章 郊外の未来
暗いシナリオばかりだが・・・/それでも郊外に住みたいか?/子育てしやすい場所に人が集まる/オールドタウンは実は健全なまち/空き家、空き地の活用をして本来の田園都市へ/タテのつながりとヨコのつながり/花咲く郊外へ
・あとがき
・郊外研究のためのブックガイド
・関連文献
・巻末資料
・地名索引
著者:三浦展
出版社:中央公論新社
サイズ:新書
ページ数:238
発行年:2011.12
