
かたちは思考する 芸術制作の分析
セザンヌからスミッソンに至る近現代美術、ゴダールの3D映画、トンネル工事の記録写真、そして同時代の演劇やダンスまで、多様なジャンルを横断してひろがる「芸術」という営みを、一貫した方法論的精密さで分析する。芸術作品を見ることを通して見る「私」を作り変える、驚異の芸術論。
■目次
・序章 布置を解く
I 形象の生成
第1章 多重周期構造 セザンヌのクラスター・ストローク
第2章 斬首、テーブル、反光学
ピカソ アヴィニョンの娘たち
第3章 マティスの布置
1945年マーグ画廊展示における複数の時間
第4章 屏風の折れ構造と距離
菱田春草「落葉」「早春」を見る
第5章 合生的形象
ピカソ他「ラ・ガループの海水浴場」の物体的思考プロセス
II 大地と像
第6章 断層帯を貫く 『熱海線丹那隧道工事写真帖』
第7章 異鳴的うなり
ロバート・スミッソン『スパイラル・ジェッティ』
第8章 普遍的生成変化の「大地」
ジル・ドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』
III 身振りの複数の時間
第9章 バカボンのパパたち
赤塚不二夫・ウィトゲンシュタイン・橋本平八
第10章 Videmus(われわれが見る)
小林耕平『タ・イ・ム・マ・シ・ン』
第11章 幽霊のグルーヴ
core of bellsの憑依=参与的不一致
第12章 複数の時間を踊る
岩渕貞太・八木良太・蓮沼執太『タイムトラベル』
第13章 近傍の奈落
ジャン=リュック・ゴダール『さらば言語よ』
第14章 ノー・フューチャー
オフィスマウンテン『ドッグマンノーライフ』
著者:平倉圭
出版社:東京大学出版会
サイズ:A5
ページ数:335
発行年:2019.09