メディア都市
遍在化するデジタル・メディアによって、閉域としてあった公共空間や私的空間に孔が穿たれる。その孔を通じて内と外が繋がっていく多孔的なデジタル=ネットワーク都市の輪郭を、メディアと都市の相関やグローバルな資本主義の地政学を俎上に精査する。
■目次
序章 多孔的なデジタル都市とグローバルな資本の文化地政 吉見俊哉
第1部 建築と身体、公共空間
・共生する建築:デジタリティを抱握する ルシアナ・パリジ
・生態学的都市論のために:「ベンヤミン的方法」と多孔性 田中 純
・映像文化へのアプローチ:遍在するスクリーンのアルケオロジー 大久保遼
・帝都東京における音のネットワーク:戦時下のラジオ放送と「アメリカ」
林 三博
[コラム1]Thinking Forest:メディア実験としての工事中景 韓 亜由美
第2部 モバイルな都市文化
・「たまごっちの時代」における愛の変容 ドミニク・ペットマン
・ポータブルな市民権 アン・アリソン
・世界を駆ける『アイアンシェフ』:日本の料理番組、ソフトパワー、
そして文化グローバル化 ガブリエラ・ルカーチ
・オンライン・ファン・コミュニティにおける交流と闘争:
台湾におけるジャニーズファンを例に ホウ惠潔
・ユビキタス以前へのノスタルジー:
「メディアとしての鉄道」と想像力のゆくえ 辻泉
第3部 ユビキタス都市の社会運動
・ユーザー・ジェネレーテッド・トーキョー マティアス・エチャノヴェ
・ICTの社会への浸透と地域との齟齬:1995年以降の地域の情報化をめぐって
三浦伸也
・インタラクティヴィティの神話:監視モードと透明なコミュニケーション
阿部潔
・ポストメディア時代における文化政治学へ向けて 毛利嘉孝
[コラム2]セキュリティ国家における市民社会メディアとコミュニケート
する権利 ガブリエレ・ハード+浜田忠久
著者:石田英敬、吉見俊哉、マイク・フェザーストーン
出版社:東京大学出版会
サイズ:A5
ページ数:357
発行年:2015.10
