
<都市的なるもの>の現在 文化人類学的考察
現代においては、世界全体がいわば都市になりつつあるといっても過言ではない。本書は、人類学的アプローチから世界の諸都市のさまざまな具体事例を集成して、都市の日常を生きる多様な人間の眼差しを明らかにし、現代社会の都市という生活空間の質を問う。
■目次
序論 <都市的なるもの>を問う人類学的視角 関根康正
I.都市の原像 <都市的なるもの>の誕生と形式
1.原初の都市トンブクトゥ 赤阪賢
2.TIMBUKTU-沙漠と草原と結び目 岩田慶治
3.中世ヨーロッパの都市性 ハラルド・クラインシュミット
4.那覇の層位学-<都市的なるもの>の南島的形姿をめぐって 松井健
II.都市の支配-<都市的なるもの>の隠蔽と抵抗
・村落から見る
5.都市が田舎にやってくる-南インドにおける寺院と映画 杉本良男
6.「村人」にとっての都市的経験-ネパールの事例から
7.「正義」のモザイクの可能性 森正美
8.日常のなかの都市性 松田素二
・都市から見る
9.首都と国民広場-北京における天安門広場の建築 妹尾達彦
10.国民国家のなかの民俗領域のイニシャチブ
11.都市人のこころ-スワヒリ都市ウジジの事例から 日野舜也
III.都市の流動-<都市的なるもの>の錯乱と潜在性
12.スタイルとしての身体-Driving my Body
13.<都市的なるもの>の襞-身体性からの逆照射 松本博之
14.都市と記憶(喪失)について 小田亮
15.不安定労働とホームレス-都市の産物 トム・ギル
16.都市のヘテロトポロジー
-南インド・チェンナイ(マドラス)市歩道空間から 関根康正
附論 <「東京」を人類学する>ための覚え書き 関根康正
著者:関根康正
出版社:東京大学出版会
サイズ:A5
ページ数:529
発行年:2004.02