歴史の建設 アメリカ近代建築論壇とラスキン受容
19世紀から20世紀前半のアメリカ建築界がみせた「ジョン・ラスキン」という問題への異常な執着とは何か。アメリカ建築の出自と伝統を問う熾烈な派闘争のなか、ラスキンの思想がどのように参照され、批判され、忘却され、評価されたのかを綿密に追跡することを通して、近代建築史成立の根幹を描き出した画期的論考。
■目次
・緒論 聞き伝えの歴史
・第一章 超越的工業 人間が神になりかわるとき
・第二章 ラスキンとヴィオレ=ル=デュク 英仏代理戦争の開始点
・第三章 ゴシック・リバイバルの「二つの道」 建国百年にいたる混迷
・第四章 異説クイーン・アン アメリカ建築の建国零年
・第五章 ゴシックの死か再生 さらばラスキンの時代
・第六章 ラスキンの見えざる牙城 建築史は兵士である
・終章 ティフォンの玉座 アメリカ近代建築史論の成立
・エピローグ
著者:江本弘
出版社:東京大学出版会
サイズ:A5
ページ数:405
発行年:2019.04
