
「洗い」の日本建築史 建築の経年と木肌処理技術
木肌に付いたシミや変色など、物理的な汚れを落とし、経年により古びた建物の視覚的な印象を操る「洗い」の仕事・技術を、日本建築の歴史から解明する。また、伊勢神宮に象徴されるような「新しさ」の美意識と、茶室のわびさびのような「古び」の美意識が、どのように醸成され、定着していったのかを考察し、「建築の経年」への新たな視点を与える。
■目次
序章 日本建築における「洗い」
第一章 木肌削り出し 古代から近世に至る痕跡と記録
第二章 洗清と清鉋 中世・近世伊勢神宮遷宮記録に見る竣工儀式
第三章 灰汁洗い 近世作事文書に見る洗いの記録
第四章 近現代の洗い 「洗い」と「木肌削り出し」の発展と変容
終章 洗いか古びか 日本建築の経年美
附論 洗いの道具について 桶・箒・コソゲ・薬液
著者:中山利恵
出版社:東京大学出版会
サイズ:A5
ページ数:304
発行年:2024.02