思想地図 vol.5 特集 社会の批評
今、社会に対する批評はいかにして可能か。90年代以降、社会批評の主役となった社会学。そのあり方を徹底的に吟味し、社会学的思考と社会批評がどこで重なり、どこで異なるのかを探っていく。社会に内在しながら社会を捉えなければならないという、社会学に不可避の困難を見据えながら、哲学から統計学、政治学にいたる隣接領域の成果もふまえ、社会と向き合う「知」の可能性と限界を示す。
■目次
(共同討議)闘いとしての政治/信念としての政治
野中広務+姜尚中+森達也 北田暁大・司会
「特集 社会の批評」
社会の批評 Introduction 北田暁大
I 社会への問い
・思想の言葉と社会学の知 橋爪大三郎
・「社会学」という不自由 長谷正人
・馬鹿げたことは理にかなっている
社会問題を超える/の根底にある哲学的な問い 永井均
・東京の政治学/社会学 格差・都市・団地コミューン
橋本健二+原武史 北田暁大・司会
II 社会の批評
・サブカルチャー/社会学の非対称性と批評のゆくえ
世界を開く魔法・社会学編 佐藤俊樹
・キャラクターをめぐる「批評」「社会学」「社会科学」
小田切博「キャラクターとは何か」をよせて 稲葉振一郎
・妄想の共同体 「やおい」コミュニティにおける恋愛コードの機能
東園子
・俺たちの空 本宮ひろ志と「マンガ」の領域 瓜生吉則
・文学/批評と社会学 協会の変遷を追う 遠藤知巳
III 社会の数理
・推論の限界 経済危機を相互推論モデルで読み解く 小島寛之
・統計学で社会を捉える 数理構造と可能性 星野伸朗
・「アメリカ化」する日本の政治学
政権交代後の研究業界と若手研究者問題 菅原琢
・編集後記
・プロフィール
著者:東浩紀、北田暁大
出版社:日本放送出版協会
サイズ:B6
ページ数:410
発行年:2010.03
