
人類の都 なぜ「理想都市」は闇に葬られたのか
科学、通信技術、芸術、スポーツなどあらゆる叡智をひとつの都市に集結させる――斬新な〈世界の首都〉構想が立てられた。目的は技術革新を通した世界平和。考案者は彫刻家のヘンドリックと義姉で名家出身のオリヴィア。政治家や芸術家をはじめ計画は世界中で熱狂的に支持されたが、構想から30年を経たのち夢と潰えた。だがその裏ではムッソリーニ、ヒトラーら独裁者たちが強い関心を示していた。ユートピア思想から始まったはずが、なぜファシズムに利用されることになったのか。計画に人生を捧げた考案者の姿を通して、幻の理想都市の謎に迫る歴史ノンフィクション。
■目次
プロローグ
第1章 彫刻家への道
第2章 愛情
第3章 生命の殿堂
第4章 エルネスト・エブラールを探し求めて
第5章 オリヴィアの夢想
第6章 欺瞞
第7章 不和
第8章 啓示
第9章 ウォール街の平和主義者たち
第10章 ベルギーからの支援
第11章 最初の成功
第12章 勝利
第13章 戦争
第14章 悲嘆
第15章 必死の執着
エピローグ
著者:ジャン=バティスト・マレ 著田中裕子
出版社:NHK出版
サイズ:四六
ページ数:416
発行年:2024.10