夢窓疎石 日本庭園を極めた禅僧
夢窓疎石の目線から描く日本庭園観照記西芳寺、天龍寺、瑞泉寺、恵林寺、永保寺など禅の悟りを表現した名庭は、室町初期に、夢窓疎石が完成したとされる。禅僧にして、国際的に活躍する庭園デザイナーである著者は、疎石と自分を重ねるように、各地の庭園を訪ねた。日本的な美意識、精神性を探る日本庭園観照記である。
■目次
・まえがき
・第一章 夢窓国師の一生
夢窓国師の生い立ち/本師・高峰顕日/鎌倉での国師の生活/上総・退耕庵から京都、鎌倉/瑞泉寺の開創と円覚寺/西芳寺の造営/天龍寺の造営/天龍寺落慶と退院/夢窓国師が多くの人に仰がれた理由
・第二章 禅思想と作庭技術の融合
日本庭園を代表する禅寺の庭/禅の原点「無」の思想/禅の造形/禅の造形を生む臨済宗/方丈と書院/禅寺の方丈庭園/日本庭園は生きた造形芸術
・第三章 庭園プランナーとしての石立僧
林泉をみずからつくり、愛好した国師/サクラをこよなく愛した国師/「十境」を楽しむ国師/山頂に塔亭を設けて眺望を楽しむ/庭園デザイナー、プランナーとしての国師
・第四章 池泉庭園から枯山水へ
虎渓山 永保寺 石組庭園への中間形態/錦塀寺 瑞泉寺 作庭の基礎を築いた庭園/乾徳寺 恵林寺 禅の庭を確立する出発点/国師ゆかりの甲斐の寺院/西芳寺 苔寺の石組は何か/天龍時 禅の心が凝縮された庭園/国師の庭の変遷
・参考文献
・夢窓国師年譜
・国師の庭 所在地
・枡野俊明の主要庭園作品
著者:枡野俊明
出版社:NHK出版
サイズ:B6
ページ数:265
発行年:2005.04
