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idea アイデア 405 世界を覗くグラフィック

セール価格 3,630円(税込)

「見えないものをみる/描く」という行為は、人間にとって根源的な欲求のひとつとも言えるが、印刷技術が発達した近代以降には、欧米を中心に図鑑の中の解剖図や新聞・雑誌の挿絵として、断面図や分解図を用いたイラストレーションが親しまれてきた。一方で、そうした表現は近年グラフィックの分野で注目される「インフォグラフィックス」や「データヴィジュアライゼーション」にも共通する視点をもっており、イラストとデザインの両者をつなぐ表現とも位置付けられるだろう。

そこで、本特集では領域を超えた視覚表現(グラフィック)の可能性を探ってみることにした。

取り上げた古今東西の8名の作家たちは、イラストレーターとして活躍する人もいれば、建築家やゲームグラフィッカーなど異なるバックグラウンドをもつ人もいる。しかし、ともに「ものの内側」を描くことに着目し、断面図や間取り図などの表現を用いて多くの人の目を奪う制作を続けている。また、特集後半の寄稿や小特集では、絵本における空間表現、地図や建築の領域におけるイラストレーションなど、見えないものを描くことに魅了された作家たちの仕事も紹介していく。彼/彼女らの視点を通じて、多くの読者が新たな発見や興奮に出会えることに期待したい。

■特集 世界を覗くグラフィック―断面図・間取り図・分解図―見えないものを描く視点

・塩谷歩波

・遠藤慧

・政木哲也

・吉田誠治

 インタビュー 吉田誠治 ビリーバビリティの技法 吉誠治が俯瞰する世界図

・gozz

・ダグ・ジョン・ミラー

・オーウェン・D・ポメリー

・エヴァ・ル・ロワ

[小特集]河童が「覗いた」ものたち 妹尾河童のイラストレーションとその視点

[小特集]絵本は見えないものをどのように表現するか 佐々木美砂

[寄稿]西山夘三とイラストレーション 松本滋

[寄稿]内視の欲求 断層に寄せる断章 大田暁雄

[寄稿]英国屈指のカットアウェイ・アーティスト:レスリー・アシュウェル・ウッド スティーブ・ホランド

著者:

出版社:誠文堂新光社

サイズ:A4

ページ数:170

発行年:2024.03