水資源管理と環境保全
本書は、「水資源」という基本的な地域資源に関するある種の「見識」をしっかり身に着けていってほしいとの願いから書かれている。学生のみならず、水資源を対象にした職業人に向け、多面的かつ総合的な視野から水資源の性質や国内・国際の社会的問題を捉えて、水資源の保全と利用に関する基礎的な知識を開示する。
■目次
序章 水危機の時代にあたって
水危機をどう理解するか/日本における水資源をめぐる状況/水利権市場(ウォーターマーケット)の形成について
第1章 地域における水資源の特性
水資源の自然特性/水資源の社会特性/日本の国土・景観と水資源/水資源配分の最適性-パレート最適は成立するか-/自然生態システムと水の価格
第2章 水資源開発・管理の論理と手法
流域の水利用/水資源開発と利水安全度/利水ダム運用の計画手法/多目的ダム運用の計画手法/ダム群統合管理の計画手法
第3章 河川環境の保全と再生
開発と保全の両立に向けて/ミティゲーションと土地確保/自然河川と地域への理解/環境保全上の工法課題/伝統的河川工法と近自然河川工法
第4章 河川環境保全の運動
生活に密着していた河川の急激な環境悪化/矢作川沿岸水質保全対策協議会/源兵衛川を再生させたNPO法人グラウンドワーク三島
終章 21世紀の水資源管理-「流域マネジメント」への展望
モンスーンアジアの利水システムと「コモンズ」/現代的コモンズとしての「流域マネジメント」への展開
著者:千賀裕太郎
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:184
発行年:2007.12
