構造デザインとは何か 構造を理解しないアーキテクトとアートを理解しないエンジニア
この本の原題は「The Art in Structual Design」である。ここでいう{アート」は審美学的な「芸術」であるのはもちろんだが、同時に設計における「技術」でもある。そしてこの技術は単に計算によって答えを出す「技」という意味だけではなく、一人の人間としてデザインチームの他の構成員(特にアーキテクト)たちと仕事を進めていくための「術」という意味も含んでいる。本書は、いわゆる構造技術書ではない。文中に構造計算の数式は一つもでてこない。また、構造設計法のイロハを伝授する実務書でもない。「構造エンジニア」と「アーキテクト」という二つの異文化がコミュニケートするためのカルチャーガイドなのである。どのようにしたら互いの能力を発揮して協同することができるのか?そのヒントはこの本のなかにある。
■主要目次
01構造デザインのアート/02設計事例の研究 シドニー・オペラハウス/03計画と設計の組織/04資金計画と分析/05機能計画と構造/06建築家、建築そして美学/07アーキテクトとその仕事/08エンジニアとアーキテクトの関係/09建築評論とその歴史/10建築史の年代順スケッチ/11建築思想におけるテーマ/12建築を体験する 美学、心理学、意識学/13設計プロセス その到達水準/14課題の定義づけと明確化/15試験的解答の生成/16評価と意思決定/17設計理論とその応用/18構造エンジニアリングの哲学と批評/19力の効率的伝達についての原則/20構造形態の批評のあり方
著者:アラン・ホルゲイト、播繁
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:300
発行年:2001.06
