源氏物語空間読解
源氏物語には平安盛期の貴族の住空間である寝殿造の空間が見事に描かれている。貴族達がどういう空間に浸っていたか、その空間がどう貴族の生活、生活方法を支え、ひきたて、当時の貴族の意識や感覚と関わっていたかを記述する。本書では、現実に存在する建築空間やそれらの図面を介して読んでいるのではない。絵巻物により解読している部分もあるが、多くは文学という文字の中から読解したものである。日本に定着した寝殿造を読み解くことは、日本の空間、その内部空間、外部空間を読んでゆくことである。
著者:安原盛彦
出版社:鹿島出版会
サイズ:195×135
ページ数:216
発行年:2000.05
