言葉と建築 語彙大系としてのモダニズム
本書は「欲望のオブジェ」に続くフォーティーの二冊目の訳書である。本書でのフォーティーは文化社会学的な観点から建築を解きほぐそうとしている。そこで、建築に使われる媒介項としての言葉に着目し、その研究を本書にまとめた。
本書は二部構成となっている。第一部は近代建築における話し言葉と書き言葉の探求である。第二部はモダニズム建築批評において核心的用語を形成する言葉の歴史的、批判的辞書である。第二部の規範の一つは「キーワード辞典」であるが、それとは似ても似つかないものになっている。それは本書は一つの独自な実践ー近代建築ーの言語体系の探求だからである。実践の中での言葉の役割を問うことは、必然的にその実践自体についての言説となるのである。(本文より抜粋)
■目次
・謝辞
・序
・第一部 序章
モダニズムの言語/言語とドローイング/差異について、男性的と女性的/言語の隠喩/「空間の力学」ー科学の隠喩/「生か死か」ー「社会的なるもの」を記述する
・第二部
性格/コンテクスト/デザイン/柔軟性/形/形式的/機能/歴史/記憶/自然/秩序/簡潔性/空間/構造/透明性/真実/型/使用者
・訳者あとがき/図版出典/文献/欧文索引
著者:エイドリアン・フォーティー、坂牛卓+邉見浩久監
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:541
発行年:2005.12
