評伝ミース・ファン・デル・ローエ
ミ-スの人生観・哲学を知るのに最適な書。
今では神話となっているミースの人生における、デザイナーとしての成長、現代芸術に与えた衝撃といった疑問を、独自の調査、インタビュー、ニューヨーク近代美術館ミース・アーカイヴといった膨大な資料によって明らかにする。
神話の背後に隠れていた人間的な魅力からは、ミースが単なる合理主義者ではなく、巨大な意志を持ちながらも、原則からはみ出し自己を疑うこともあった、複雑な芸術家であり思考家であったことが浮かび上がる。美術史家・評論家である著者フランツ・シュルツによる第一級の書。今後ミ-ス・ファン・デル・ローエに興味を持った人は、シュルツから始めなければならないだろう。訳文は平易で通読に耐える名訳といえる労作。
※本書は1987年に同出版社から刊行された単行本の新装版です。書名・内容に変更はありません。
■目次
日本語版への序文/図版リスト/謝辞/序文/作品・プロジェクト
1 アーヘン ドイツ帝国の青春、1886-1905
2 ベルリン 新世紀の課題、1905-18
3 ヨーロッパ、廃墟からの出発 モダニストの挑戦と反発、1919-25
4 好景気のワイマール、1925-29
5 大恐慌、全体主義、そして芸術の危機、1929-36・6 出発と脱出、1936-38
7 復活 ユートピアなきモダニズム、1938-49
8 アメリカ 鉄とガラスの勝利、1949-58
9 退場の唄、1958-69
原注/参考文献/図版出典/訳者あとがき/索引
著者:フランツ・シュルツ、澤村明
出版社:鹿島出版会
サイズ:菊
ページ数:389
発行年:2006.04
