建築・権力・記憶 ナチズムとその周辺
ナチズムの時代には、建築が政治の手段として最大限利用された。建築は社会的所産であり、歴史的状況の産物であるという視点に立ち、20世紀初頭の建築の意味を改めてわれわれの前に示す、重厚な論文集であり、歴史書であるといえよう。(鈴木博之氏 帯より)
■目次
・編者まえがき
・序
・建築と国家
政治的建築-厄介な概念についての考察/この支配者の軸線を貫いて明瞭な線を引く-帝国と連邦共和国の間のシンメトリー、軸線、記念碑性をめぐる議論/芸術と階級闘争の間で-1920年代の機能主義の位置づけ
・建築と権力
「美装の暴政」-スターリン時代の建築に関する短い見解/リットリオ宮と総統官邸-ファシズムとナチズムの権力中枢の比較・ジュゼッペ・テラーニと建築家の責任
・ナチズムの建築
1933-35年の建築設計競技に見られる前衛の試みと葛藤/ナチズム下の建設活動-その全体像へのまなざし/ナチズムの建築様式-「インターナショナルな新古典主義」と地域主義の間で
・ナチズムの遺産と取り組む
ナチズムの過去の痕跡との取り組み-考えないようにしてきたことを示すもの/節約の炎に浮かぶ記憶-ミュンヘンにおけるナチズム時代の建築との取り組み/テロのトポログラフィー-ミュンヘンの場合
・ミュンヘン・ナチズム建築MAP
・訳者あとがき
著者:ヴィンフリート・ネルディンガー、海老澤模奈人
出版社:鹿島出版会
サイズ:菊版
ページ数:311
発行年:2009.01
