イタリア合理主義 ファシズム/アンチファシズムの思想・人・運動
ファシズム/アンチファシズムの間で揺れ動いた、イタリアの近代建築運動を彩る合理主義建築。その思想・人・運動とは何であったかのかを、豊富な資料・写真とともに考察する。
■目次
・第1章 運動の発見-「未来派」とロンギの美術批評
攻撃、混沌、あるいは革命性
運動の表現-ロンギの「未来派」とボッチョーニ論
風景へ-ロンギの「C・カッラ」論
・第2章 近代建築の導入
政治的方向転換-ナショナリズム
かたちのない美-グラムシの近代建築
・第3章 組織的革命の試み-初期イタリア合理主義
背景
運動体-「第1回イタリア合理主義建築展」1928年
国際運動とファシズムの接点-「MIAR」1928年
バルディの演出-「第2回イタリア合理主義建築展」1931年
総書記長リベラの決断-「MIAR」解散の経緯と評価
二分される建築文化-「黄旗、合理主義建築」1931年
・第4章 再出発-30年代の北イタリアの合理主義運動
思想の都市、前衛派の都市-トリノ、ミラノ
活動の縮図-展覧会活動
プロモーション、批評、論争-建築誌運動と合理主義建築家
首都へ
・第5章 体制のもとで
ムッソリーニのローマ
党幹部の近代化政策-G・ボッタイ
ファシスト様式、建築の永続性-「ローマ大学ト市」「EUR」
調停者の功績
地方へ-G・パガーノ
・第6章 地方都市-小宇宙コスモの建築家
ジュゼッペ・テラーニ
ファシズムの観察者-コモの「カサ・デル・ファッショ」
自己矛盾、破綻-コモの三つのプロジェクト
チェザーレ・カッターネオ
「統合」の理論とすがた-「カーザ・カッターネオ」1938-39年
・第7章 交通の場-媒介者たち
建築ジャーナリスト、P・M・バルディ
建築家の迷走-ル・コルビュジエとイタリア1933-34年
批評家、エドアルド・ペルシコ
アンチ・ファシスト文化からの建築批評
・結-建築への収束
・あとがき
著者:北川佳子
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:256
発行年:2009.04
