民家建築の再興
伝統的な住まいである民家の再生を数多く手がけてきた著者が、民家再生のための考え方、再生手法を解説する。同時に民家再生事例も収録し、設計の手引きにもなるよう資料性も併せ持つ。
■目次
・「家」を再生すること 設計者のめざすところ
・序 民家の系譜-風土と伝統による住まいの変遷
1.日本人の生活と住まい
2.和の様式と住まい
3.信濃の伝統民家
・第一部 住まいを再考する
一 民家の魅力
二 住まい方と住み方
三 耐久力のある民家
四 伝統と民家
1.住まいと祈り/2.家相と鬼門/3.民家のもつ意匠/4.家風と飾り
5.正月飾り/6.床飾り/7.汚れと落ち着き
五 様式と情緒
1.右と左/2.水平と垂直/3.真、行、草/4.面/5.音/6.適材適所
六 民家の構造
1.真壁造り/2.大黒柱/3.差鴨囲/4.釿梁/5.棟/6.骨組と基礎
七 材料と構法
1.瓦/2.継手・仕口/3.漆喰/4.和紙
八 再生と調和
1.民家建築を想う/2.家並みをつくる/3.古材の利用
4.土間と通り庭/5.民家の増改築
・第二部 住まいの要素と構成
一 敷地と環境=敷地と水平・陽射し・宅地の条件/二 敷地と区画
三 屋根と軒(庇)=方位と形・勾配(傾斜)/四 外観と壁=屋根・壁
五 アプローチ・ポーチ/六 玄関と寄付/七 間取り=茶の間・団欒
八 居間(リビングルーム)/九 応接室/十 客間(座敷)
十一 書院造り=意匠と構法・床の間・付書院と平書院
十二 住宅の室礼=室礼・床・天井・畳・座布団・棚・窓
十三 建具=格子・戸と扉・引き戸・障子・襖/十四 階段と手摺
十五 家具(インテリア)/十六 台所・食堂/十七 寝室
十八 老人室(別棟・二世帯)・子供室/十九 収納(納戸・クロゼット)
二十 書斎/二一 家事室(ユーティリティ)・浴室・洗面所
二二 便所/二三 換気と暖冷房=換気・匂い・暖房・冷房
二四 照明=採光・明暗/二五 サービスヤード/二六 廊下と縁側
二七 縁側と濡縁/二八 庭のいろいろ/二九 塀と垣・門(結界)
三十 土蔵・物置・車庫
・第三部 住まいの事例
1.(歌人を偲ぶ家)松本・和田「窪田空穂・生家」
2.(漆芸を育む家)安曇野・北穂高「高橋節郎・生家」
3.(民家再生の原点)松本・神田「草間邸」
4.(山繭紬の里)安曇野・有明「矢野口邸」
5.(里屋を継ぐ家)安曇野・明科「久保田邸」
6.(伝統に馴染む家)滋賀・彦根「松本邸」
7.(古都を愛しむ家)京都・吉祥院「林邸」
8.(被爆体験の家)長崎・錦「永富邸」
・結 人との出会いが「民家」を受け継ぐ
・新版の再生に際して
・主要参考文献
著者:降幡廣信
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:295
発行年:2009.10
