イタリア・ルネサンスの建築
時代区分と重要な建築家という構成法に従って本書は記述されている。社会的文脈や技術革新、美的評価はすべてその重要度に照らして述べられ、なかでも建築家ひとりひとりが、唯一の優れた尺度と考えられたウィトルウィウスの規則をどのように受けいれそれを自らの霊感と均衡させたかがとりわけ注意深く探求されている。300以上の写真や建築素描、図面、復元案豊富に取り込みつつ、本書はブルネッレスキの誕生からミケランジェロの死に至る年月に起こった、建築の巨匠たちのまれにみる活動を生き生きと描ききっている。建築史の中のこの150年間に多数の革新と豊かな創造上の影響関係が生み出され、それによってこの時代がヨーロッパ文明のひとつの転換期を構成し、その豊饒さと楽しみが文字通り無尽蔵であることが改めて明らかにされている。
■目次
・まえがき
・序論
・第一章 ブルネッレスキとドナテッロ、ミケロッツォ
・第二章 アルベルティと同時代人たち
・第三章 フランチェスコ・デル・ボルゴとピウス二世およびシクストゥス四世治下のローマ建築
・第四章 ロレンツォ・デ・メディチ時代のフィレンツェ建築
・第五章 ルチアーノ・ラウラーナ、フランチェスコ・ディ・ジョルジョ・マルティーニとフェデリーコ・ダ・モンテフェルト
・第六章 ブラマンテとロンバルディーア
・第七章 ヴェネツィアの初期ルネサンス
・第八章 インノケンティウス八世とアレクサンデル六世治下のローマ建築
・チンクエチェント
・第九章 ブラマンテとローマのブラマンテ派
・第十章 チンクエチェントのヴェネト建築
・第十一章 ミケランジェロ
・第十二章 後期ルネサンス
著者:クリストフ・ルイポルト・フロンメル、稲川直樹
出版社:鹿島出版会
サイズ:290×235
ページ数:267
発行年:2011.06
