アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド自伝
モダンデザインの青春と事件を証言する大回顧録、待望の邦訳。アール・ヌーヴォーを生み、バウハウス設立を導いた巨人の悲喜劇と信念。550名の登場人物が織りなす壮大なドラマは、臨場感あふれるモダンデザイン創世記。
■目次
・日本語版刊行によせて ジークフリート・エンダース
・訳者まえがき
・第一章 幼少年時代
・第二章 画家としてアントウェルペンからパリへ
・第三章 ふたたびベルギーへ 困難と危機
孤独な時代/新しい理念との接触/若き「レ・ヴァン」のメンバーとして
カルムトハウトの「フォーヘレンザンフ邸」/画家への道を断念――応用芸術への道
雑誌『ヴァン・ニュー・エン・ストラックス』/「天使の見守り」
マラルメとヴェルレーヌのふたりとの出会い
・第四章芸術家としての使命
マリア・セートゥとの交際と結婚/アントウェルペンとブリュッセルでの講義
テオ・ファン・ゴッホ未亡人を訪ねる/最初の工芸品のデザイン
「新しい大学」の教師として/建築への第一歩
サミュエル・ビング、ユリウス・マイヤー=グレーフェそして「アール・ヌーヴォー」とパリの展覧会(一八九五~九六年)
自邸「ブルーメンウェルフ」とトゥルーズ=ロートレックの訪問
C・ピサロからの一通の手紙
・第五章 一八九七年――ドレスデンとベルリン
一八九七年ドレスデン美術工芸展/コンスタンチン・ムーニエとドレスデンへ
ムーニエとベルリンへ
・第六章 初期の反響――広がる仕事の領域
一八九八年ミュンヘン――宮廷訪問/婦人服の革命
・第七章 ブリュッセルとベルリンの間で
ハリー・ケスラー伯爵との出会い/コルネリア・リヒター邸での講演
ブリュッセルそれともベルリン?/ブリュッセルのコブデン=サンダーソン
カール・エルンスト・オストハウスとの出会い/ベルリンへの移住
・第八章 ベルリンの世紀末
ベルリンの空気/エリーザベト・フェルスター=ニーチェ夫人を訪ねる
ベルリンでの生活/ワイマールへの招聘
・第九章 ワイマール その一 創造の絶頂期へ
「美術工芸ゼミナール」/ユーゲントシュティル/大公の母君の供で視察旅行
『美術工芸の素人説法』とフォルクヴァンク美術館
ワイマール宮廷にて/ワイマールのケスラー伯爵/ベルヴェデーレ城での知的生活
「ハンブルク―アメリカ航路」のための客船設計とアジア旅行
皇帝の侮辱/若き大公妃/一九〇三年「ドイツ芸術家連盟」の結成
ニーチェ文庫/「新生ワイマール」/ある高貴な変人
大公妃の悲劇的な結末/ルイーズ・ドゥモンのための劇場計画
建築家シグルド・フロステルス/新しい宮廷劇場?
一九〇五年パリへ――ワイマールのゴードン・クレイグ
・第一〇章 ワイマール その二 ――決定的な仕事と事件
一九〇六年「ドイツ芸術家連盟展」をロンドンで開催
「一九〇六年ドレスデン美術工芸展」についての論争
「ホーヘンホーフ」/ケスラーの失脚/ワイマール美術工芸学校
「ホーヘ・パプラン邸」/ワイマールの婦人たち/巡回展覧会
芸術理論に関する文章/イエナのアッベ記念堂/ドイツ工作連盟
・第一一章 ワイマール その三――失望と破局
一九一〇年ブリュッセル世界博覧会/リガの牧師館
パリの「シャンゼリゼ劇場」/ガブリエーレ・ダヌンツィオとの出会い
第一次世界大戦勃発前/ニーチェ記念碑の設計
一九一四年ケルンのドイツ工作連盟劇場
ドイツ工作連盟の議論/すべてに対する疑惑
辞任、第一次世界大戦勃発そしてワイマール期の終わり
アルフレート・ワルター・ハイメルの死/戦時下のワイマールにて
ドイツ生活の終わり
・第一二章 スイスでの出来事 一九一七~一九二〇年
ベルンとチューリッヒでの芸術家や知識人たちとの交流――ルネ・シッケレ
エルンスト・ルードヴィヒ・キルヒナーを訪ねる
社会主義者カミーユ・ユイスマンス、アンネッテ・コルプ、フェルッチオ・ブゾーニ、 ケスラー伯爵たちとの出会い
ベルンとチューリッヒにおける講演――クラーレンスへの移住
フランス・マゼレールとロマン・ロラン/ウットヴィル
・第一三章 オランダのクレラー=ミュラー夫妻のもとへ
・第一四章 ベルギーへの帰国:公職につく
ブリュッセルの研究所(ISAD)/七〇歳の誕生日
ヘンドリック・デ・マンとOREC/一九三七年パリ世界博覧会
一九三九~四〇年ニューヨーク世界博覧会/ゲント大学図書館の建設
第二次世界大戦――ベルギーの終末
・第一五章 一九四七~五七年 オーバーエゲリでのエピローグ
・解説:芸術家 アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド クラウス=ユルゲン・ゼムバッハ
・編者解題 ハンス・クルイェル
・訳者のことば
著者:アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド、小幡一
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:593
発行年:2012.04
