石造りのように柔軟な
北イタリア山村地帯の建築技術と生活の戦略
偶然に任されたものはなにひとつない、村落形態への洞察から導き出された警句には、山に暮らす人々の環境への思慮深さが窺われる。北イタリア・ピエモンテ州から美しい写真とともに届いた建設と生存の教え43篇。
■目次
・第1章 テリトリーと村落
山は繋がっていた/重力を活かす/偶然に任されたものはなにひとつない
環境のあるがままの形に従う/標高差を活かす/場所への融合
社会のなかにある諸関係の投影として
・第2章 住居と建築技法
生活の場にして生産活動の道具としての家/地域が生む住居の空間構成
地域が生む建築技法/手に入るものでやりくりする知恵と技術
木材だけでいい時/物を適切に使うとは/シェアリングとコンヴィヴィアリティ
物の可能性を読み取る/一回作ればもう大丈夫
壁を解読することは、場所を解読すること/葡萄畑の墓地が語るもの
時の流れのなかで変わってもいいじゃないか/手の知性あるいはgaubi(粋)
オリジナルの外観とエネルギーの問題/個別の現実と法規の適用/空き家と伝統
・第3章 エネルギーと農業
自給自足のための地域的基盤/住居、土地、エネルギー(食糧、燃料)
理解可能なテクノロジー/蓄積された熱を利用する/二通りの耕地細分化
消えゆく人間的風景の豊かさ/山に農業を取り戻す/環境の徹底利用
次世代への投資/風景の誕生/動物の体温と人間的な温もり/ほぼ菜食主義的な食物摂取
・第4章 そして今日
場所を理解する二つの方法/押し入って来たインフラ網
忠実さのなかの偽り、作り変えのなかの真正さ
アクセスが可能であるとはどういうこと?
「本物」がヘリコプターでやって来るとき/消滅か再生か
一行の法律が共同体の数世紀に渡る慣習を抹殺しうる/亡き人々への思い
著者:アンドレア・ボッコ、ジャンフランコ・カヴァリア、多木陽介、編
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:208
発行年:2015.04
