日土小学校の保存と再生
日本木造モダニズム建築の希有な残存事例である日土小学校はいかにして建物の価値を損なわずに使い続ける最新の学校建築として蘇ったのか。日本建築学会賞ほかを受賞し、戦後の木造建築として初の重要文化財に指定されたその保存再生工事の全記録を記す。耐震補強工事、復元工事、改築など再生工事の各工程を改修前、改修後の図面や写真など現場写真と解説を交えて詳述。設計者・松村正恒の設計活動や改修後の撮り下ろし写真も加えた充実の内容。建築の保存再生や教育施設の設計に携わる方には大いに参加となることはもちろん、これからの建築の在りようを考える上でも様々な示唆を与えてくれる一冊。
■目次
・刊行によせて
・序言 鈴木博之
・第一部 日土小学校校舎の保存と再生
保存再生計画の実施主体
八幡浜市役所における松村正恒の設計活動
松村正恒の経歴/八幡浜市役所における設計活動
日土小学校の位置づけ
日土小学校の沿革/中校舎の建築について/東校舎の建築について
日土小学校のメディアへの登場/完成形としての日土小学校
日土小学校がもつ価値
保存再生計画の全体像
保存再生計画の基本的立脚点/学校教育施設としての基本的機能
中校舎と東校舎における保存再生
場所別の再生手法
校舎全棟の配置と概要/中校舎諸室/東校舎諸室
新西校舎のデザイン/色彩調査・改修結果
・日土小学校 2012年9月27日、28日 写真:山岸剛
・第二部 工事記録
工事の内容
中校舎改修工事
東校舎改修工事
改築工事
図面資料
設計・工事図面
保存再生工事と日土小学校に関するデータ
事業の運営と経費/事業および工事関係者
監修作業の経緯/日土小学校の歴史(年譜)
松村正恒および日土小学校に関する文献等
保存再生計画をふりかえって
あとがき
クレジット
著者:八幡浜市教育委員会、「日土小学校の保存と再生」編纂委員会
出版社:鹿島出版会
サイズ:B5
ページ数:311
発行年:2016.03
