SD　2021　SDレビュー2021／超都市（ハイパー・ヴィレッジ）の建築

特集1では2年ぶりの開催となった「SDレビュー2021 第39回 建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展」の結果を誌上発表する。入選12作品のなかで鹿島賞、朝倉賞、SD賞、そして今年から新設となった槇賞の受賞作品の行方はいかに。

企画に藤村龍至を迎えた特集2は「超都市（ハイパー・ヴィレッジ）の建築 コモンズの再構築による自律分散協調型経済圏の創出と独自の空間像の提示」。都市・大都市の次に出現する「超都市」の特徴、および「超都市の建築」の役割を論じるとともに、超都市的建築の国内先行事例12作品を設計者が詳説。2020年を境に都市は既に終焉へ向かい、時代は超都市へと突入している。

新連載「J-Urbanism」の第1回は、現代日本で注目すべきアーバニズムの3つのトピック「富山型コンパクトシティ」「公共空間とエリア再生の動向」「東日本大震災の復興の先」をテーマに開催した座談会と、次代を担う30代の識者らによる論考を掲載。

■特集1

　SDレビュー2021 第39回 建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展誌上発表

・総評

「すこやかで、伸びやかな未来へ」古谷誠章

「『建築』・『建築家』の可能性」赤松佳珠子

「構造の多様なふるまい」小西泰孝

「構成と、構築と」原田真宏

・入選12作品

〈森の町とPavilion〉滑田崇志＋斉藤 光＋伊藤実香＋三浦翔太

〈中川運河再生計画案「みんなの運河」〉米澤隆建築設計事務所＋中川運河キャナルアート

〈斜面住宅地をつなぐ柔らかいインフラ The Informal Formal Bridge〉雨宮知彦＋岡部明子＋サカイ・クラウディア＋佐藤 淳

〈被爆建物を有する社屋の持続的更新計画〉寳神尚史＋太田温子＋小川円香

〈場と人をつなぎ直す建築と庭の遷移 農家住宅の不時着〉伊藤孝仁＋渡邉貴明＋吉田 葵＋高橋 卓＋堀江欣司

〈踏切の家〉斧田裕太＋杉中浩之＋杉中俊介＋杉中瑞季＋杉中真由美

〈ROOF HOUSE〉玉田 誠＋脇本夏子

〈縫合する建築〉香川翔勲＋林 和秀＋藤井章弘＋伊藤一生＋佐倉弘祐＋髙木秀太

〈2 Sides House〉大場晃平

〈チャマンガの工房〉筒井 伸＋両川厚輝＋本田 圭＋川崎光克＋いとうともひさ＋小串マルセロ賢司＋倉橋風人

〈野生の所作〉天野亮平＋西本 光

〈岐阜のいちご作業所・直売所・遊び場〉伊藤 維

・審査評

・展評「困難な時代に寄り添う建築家たち」

　

■特集2　「超都市（ハイパー・ヴィレッジ）の建築 コモンズの再構築による自律分散協調型経済圏の創出と独自の空間像の提示」　企画＝藤村龍至

・超都市的建築12作品

〈小高パイオニアヴィレッジ〉藤村龍至

〈真鶴出版2号店〉伊藤孝仁

〈さんごさん〉能作淳平

〈WEEK神山〉伊藤 暁

〈消滅集落のオーベルジュ〉本瀬あゆみ＋齋田武亨

〈新民家MAKER〉漢那 潤

〈MIAMIA〉アリソン理恵

〈千鳥文化〉家成俊勝

〈HAGISO〉宮崎晃吉

〈私立大室美術館〉大室佑介

〈春日台センターセンター〉金野千恵

〈飯舘村旧コメリ建屋改修計画〉佐藤研吾

・座談会

「大都市の終わり／超都市の始まりの国際的状況」早野洋介　寺本健一　藤村龍至

■新連載　J-Urbanism #1

・座談会

「富山型コンパクトシティ／公共空間とエリア再生の動向／東日本大震災の復興の先」太田浩史　饗庭 伸　中島直人　市川紘司　中島弘貴　岩瀬諒子　北原麻理奈　高柳誠也

・論考

「シビックプライドを醸成する建築」市川紘司

「アーバニズムのための創造的な後付け」中島弘貴

「余白の管理」岩瀬諒子

「都市公園に『賑わい』は必要か？」北原麻理奈

「『復興』まちづくりではない、まちづくりに寄り添えるか」高柳誠也

　

■Topics

・完成作品レビュー

　作品〈打出浜のシェアスペース〉井上 岳＋棗田久美子＋赤塚 健

　評「瓦礫から鉢植えへ」齋藤直紀＋大村高広

・展覧会レポート

　展覧会「香山壽夫ドローイング展」

　評「描くことが思索とそして制作と同化するとき」市原 出

・書評

　単行本『ル・コルビュジエ　みずから語る生涯』ジャン・プティ 著　田路貴浩＋松本 裕 訳

　評「『コルビュおやじ』のつぶやき　建築家というプロフェッションの固有の役割は何か？」富永讓

　単行本『白い壁、デザイナードレス　近代建築のファッション化』

　マーク・ウィグリー 著　坂牛 卓＋邉見浩久＋岩下暢男＋天内大樹＋岸 佑＋呉 鴻逸 訳

　評「白の具象性」加藤耕一