
建築/かたちことば
建築は太古の昔から、人の心を表現し、人と人をつなぐひとつの言葉といえる。建築のかたちにみる多様な言葉=意味を探る。
かたちが持つそれぞれの要素は全体と部分に向かう両面性を持っている。本書では、9つの「要素」と3つの「部屋」そして1つの「細部」を抽出し、その建築のありようを再確認する。
■目次
序 かたちについて考える
論考 建築/かたちことばについて 香山壽夫
第1章
1節 柱
バエストゥム、メスキータ、唐招提寺金堂、新宮熊野神社長床、アルケスナンの王立製塩工場、ジョンソン・ワックス本社・管理棟+研究棟、せんだいメディアテーク、原始の小屋から薪小屋づくり
2節 壁
コンフォート・スター邸、サン・カルロ・アッレ・クアトロ・フォンターネ、サン・フランシスコ・デ・アシス、掬月亭、バルセロナ・パヴィリオン、マサチューセッツ工科大学チャペル、イエール大学バイネッキ稀覯本図書館、東京大学工学部一号館
3節 床
エピダウロス劇場、スパンゲン集合住宅、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ポートランドのプラザ、国立代々木競技場、シドニー・オペラハウス、クンストハル、ハイライン
4節 屋根
サンタ・マリア・デル・フィオーレとフィレンツェのスカイライン、茅葺きの古民家、クライスラー・ビル、ベス・ショーロム・シナゴーグ、トレントン・バス・ハウス、アクロス福岡、バイエラー財団美術館、サンタ・カテリナ市場
5節 天井
キングス・カレッジ・チャペル、サンティーヴォ・デッラ・サピエンツァ、ジョン・ソーン自邸、オーディトリアム・ビル、フランク・L・ライトの住宅、ウィーン郵便貯金局+シュタインホーフ教会、バウスベア教会、関西空港旅客ターミナル・ビル
6節 窓
ル・トロネ修道院、サント・シャペル、バシリカ・パッラディアーナ、ラ・トゥーレット修道院、エシェリック邸+フィッシャー邸、デン・ハーグの教会、高岡市金屋町、千ヶ滝の山荘
7節 入口
サント・マリー・マドレーヌ教会のナルテクス、ピレネー地方の建物の入口、モーペルテュイ公園のピラミッド、テラス・ハウス、ルーヴル・ピラミッド、東京国立博物館法隆寺宝物館、金沢二十一世紀美術館
8節 階段
サン・パトリツィオの井戸、ラウレンツィアーナ図書館前室、スペイン階段、サマセットハウス、ボルドーの劇場、ファーネス・ビル、ヴィクトル・オルタ自邸とスタジオ、梨花女子大学校キャンパス・コンプレックス
9節 ファサード
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、ポルタ・ピア、ヒルハウス、ロダン美術館、ユニテ・ダビタシオン、母の家、スパイラル、ラ・サマリテーヌ
第2章
1節 内の部屋
パンテオン、ヴィッラ・コルナロの四柱式広間、カサ・バトリョ、落水荘、ファンズワース邸、ファースト・ユニタリアン教会、シーランチ・コンドミニアム・ユニット9、豊島美術館
2節 境界の部屋
古代ローマ住宅のアトリウム、ボローニャのポルティチ、龍安寺方丈、リンドハースト、ハウランド邸、ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ、シンドラー邸+チェイス邸、シアトル中央図書館
3節 外の部屋
サン・マルコ広場、クリフ・パレス、カンポ・デ・フィオーリ、ケンブリッジ大学カレッジ、フィラデルフィアの街路、セントラルパーク、ジョルジュ・ポンピドゥー広場、島キッチン
第3章 細部
輪島の土蔵修復、ヴァージニア大学、ルイス・サリヴァンの宝石箱、モリス商会、アルヴァ・アールトの引手と手すり、キンベル美術館、ブリオン家墓地、脱皮する家
あとがき
著者:市原出、岩城和哉、元岡展久、萩野紀一郎共、香山壽夫論考
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:292
発行年:2022.06