SD 2025
特集1では「SDレビュー2025 第43回 建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展」の結果を誌上発表する。入選した12作品の紹介と、審査員を務めた青木淳、冨永祥子、満田衛資、増田信吾による講評を掲載。槇賞、鹿島賞、朝倉賞、SD賞に輝いた作品はどれか。
特集2は「ブルータリズムの現在形 倫理と美学のプリズム」と題し、近年再評価されるブルータリズム建築を源流から最前線まで多角的に論じる。ゲストエディターに建築史家の江本弘と市川紘司を迎え、岩元真明、本田晃子、マシュー・ムレーン、伊藤維、小笹泉、大山顕、星野太、八束はじめらによる骨太な論考を掲載。付録に、Architectural Review誌に1955年に掲載されたレイナー・バナムによる論考「ニュー・ブルータリズム」全文の邦訳。
第5回目となる連載J-Urbanismでは、大阪にスポットを当てる。
■特集1 SDレビュー2025
・第43回建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展誌上発表
・総評
「正しさ」を超えて 青木淳
夢と現実のはざまを表現すること 冨永祥子
確信犯の不在 満田衛資
どこにロマンがあるのか 増田信吾
・入選12作品
槇賞 House in Leersum
シモン・グリフィン+鶴田航+上林修司
鹿島賞 旧吉野小プロジェクト
村山徹+加藤亜矢子+塚越竜也+二又大瑚
朝倉賞
八幡野の小屋 原田雄次
モナステリーディスティラリー 石飛亮+東郷拓真
白樺の森のヴィラ群 桐圭佑
還る墓 小野直輝
時を纏う橋の町屋 降旗範行+酒井千草
廃墟の上棟 神本豊秋+能村嘉乃+筒井祥平
スクラップ・アンド・リファイン 大庭拓也+茅原愛弓+北潟寛史+橿渕開
暮らしの拡張基地タカキヤ
佐藤布武+佐藤あゆ+森本莉央+池田裕大郎+伴拓実
竜泉寺の門
畑克敏+足立拓哉+深澤愛佳+
深澤創一+梅村樹+田中碧衣
SD賞
スハーブスコーイ
グリアー・ハナ・ハヤカワ+ヘクター・バランテ・モンテス
審査評
展評
どこをみるか 塩崎太伸
京都展レポート
最新のプレゼンテーションに学ぶ機会 佐藤安乃
SDレビュー2025データ
■特集2 ブルータリズムの現在形
・倫理と美学のプリズム
企画 江本弘 市川紘司
[論考1]
ブルータリズムのスペクトル
鏡像的歴史概観 江本弘
[論考2]
Brut(al)ism ポストコロニアル世界のブルータリズムについての覚書
岩元真明
[論考3]
コンクリートのアンチノミー 旧ソ連におけるブルータリズム受容 本田晃子
[論考4]
粗野主義あるいは粗獷主義東アジアの冷戦とブルータリズム
市川紘司
[論考5]
ブルータル・データベースRotorの建築資材サルベージ
マシュー・ムレーン
[論考6]
生成を続けるas foundひとつの論理で覆い切らないShed
伊藤維
[論考7]
タルキプロジェクト/ブルータリズム/プラグマティズム
小笹泉
[座談会]
建築の美学と倫理 ニュー・ブルータリズムの時代から現代へ
八束はじめ×江本弘×市川紘司
[論考8]
建築の「手のひら化」SNSにおけるブルータリズム建築人気の意味
大山顕
[論考9]
ブルータルその逆逆説的な倫理 星野太
[付録]
ニュー・ブルータリズム レイナー・バナム
■TOPICS 1
完成作品レビュー
<里山だった場所と融合する家>(森屋隆洋)
デジタルなカラダ 湯浅良介
展覧会レビュー
"虚"の空間の"虚"の構築物 能勢陽子
■連載J-Urbanism #5
大阪のアーバニズム
座談会
太田浩史×饗庭伸×中島直人×武田重昭×安田康佑×平山友子×岸本しおり
論考
境界を越えて生まれる、新たなパブリックスペース 平山友子
都市を再編するために必要なことは 岸本しおり
都市の隙間で広場を想う 安田康佑
■TOPICS 2
・書評
『このとき、夜のはずれで、サイレンが鳴った」
すべては二つ、あるいは二人の間で生じる 加藤道夫
『ハウジング・バイ・ピープル』
「ハウジング」に何が可能か 山崎亮
『マンションポエム東京論』
ポエマーとしての私たち自身と向き合うための本 石川初
著者:
出版社:鹿島出版会
サイズ:A4
ページ数:128
発行年:2025.12
