SD選書 265 劇場空間の源流
歌舞伎からオペラまで。古今東西の名作で読み解く劇場デザイン原論。祭礼と伝統芸能、花道と桟敷席、オーケストラピットと舞台構成、距離感と場所性。五感に響く演劇と音楽の空間の根源性を劇場計画の第一人者が説く。
■目次
・生成する劇場空間
建築家は劇場空間を用意する/劇場を進行形で考えられないか
・祭りから歌舞伎小屋へ
舞台としての道、芝居小屋の原型/芸能と時間/小屋から劇場へ
・リアルからメタフィジカルへ
プロセニアム劇場の確立と否定の近代/ギリシア劇場が教えるリアリティ
観客と作る芝居の明かり
・オペラ劇場におけるオーケストラピットの存在感
オーケストラはどこにいる/オーケストラピットの誕生
抽象性・幻想性を追求したワーグナーの意志
・活動と呼応する距離感
距離感が生み出す一体感/コンサートホールにおけるオーケストラと観客の距離感
「見る」劇場から「居る」劇場へ
・日本の劇場創成期
明快な直線的舞台へ/近代劇場の計画理念を主導した帝国劇場
・劇場のモダンデザイン
完全な劇場と不完全な場からの出発/パブリックのデザイン
著者:本杉省三
出版社:鹿島出版会
サイズ:四六
ページ数:252
発行年:2015.12
