モンスーン日本の室内気候 高温多湿地域における快適さの探究
日本の1年の大半は高温多湿なモンスーン気候であると言える。このモンスーン日本は、蒸し暑くて過ごしにくばかりなのでしょうか。
本書では、人間がよりよく活き活きと過ごす活動空間、特にモンスーン日本の室内気候について探究しています。室内気候とは外の自然とつながった空間全体の気候です。私達は人間のそれぞれの活動によって、必要な室内気候をつくることができるのです。
■目次
・はじめに
・第1章 暑さ寒さの文化史的考察
1 文学の中の季節
清少納言が見た四季/フローベルが見た夏
2 生活の中の四季
めんどうな日本の気候/夏の風物詩/高度経済成長樹の3C
夏を旨としたお風呂/火鉢と炬燵とすきま風/新しいマインドセット
・第2章 数字では表せない私たちの快適さ
1 快適さとは総合的なもの
2 周囲の環境を総合的にとらえた小宇宙「室内気候」
3 「自分のための快適な活動空間」をつくること
ファーブルのアルマスのように/知をつくる快適さとして(ヨーロッパ)
知の空間、大学キャンパス
4 北欧から見た日本
北欧の冬と日本の夏/北欧の冬の室内気候
日本の長い夏の課題/日本の夏の価値
5 モンスーン日本の室内気候
モンスーン日本の気候「北の発想」「南の発想」
日本の冷暖房技術の発達
6 モンスーン日本の室内気候の自然科学
光にも似た暖かさ、涼しさ-放射
行く空気の流れは絶えずして-自然対流/モンスーン日本で-自然除湿
・第3章 人間と森 IDIC
1 現代社会の活動空間
2 逍遥の時空間-室内と屋外の思索空間
3 北東北は南国か?
4 廊下を歩く
5 IDICの室内気候をつくる「PS HR-C デザイン」
6 小さな森の回廊を渡る
7 眠りの森
8 大きな森の回廊へ
9 自然を享受すること
コラム 研究所としてのIDIC
感じることで進化し続ける建物/知的生産性とく面から見たIDIC
快適さの視覚化と自然環境との共生
・第4章 日本の涼園オランジュリ
1 「冬の庭」から「夏の庭」へ
2 西洋から日本へ
3 21世紀のなかの大正「ピーエスオランジュリ」の誕生
4 建物のつくりと工夫、その発想
5 涼園・開放的な室内気候のデザイン
6 伝統的な木造民家に、新たな室内気候の息吹を
7 お風呂の今昔物語
8 快適がつくる未来の可能性
・第5章 東京ジャングルオフィス
1 都市の新しい魅力発見の視点「ジャングル」
2 ジャングルオフィス
コラム 東京24時間ライフスタイル
・第6章 一夫婦の探究
・おわりに 夏の夜の夢
・参考文献
・欧米日室内気候研究室について
著者:欧米日室内気候研究室
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:134
発行年:2009.09
