
新宿駅西口広場 坂倉準三の都市デザイン
太陽を招く大きな穴と二重螺旋のスロープ、世にも不思議な公共施設。ル・コルビュジエの志を継ぐ闘いの軌跡。
新宿駅西口広場が求められた機能を果たすだけではなく、地下にありながら行き交う人々に太陽の光と広がりのある都市的な景観を提供できたとすれば亡き坂倉準三と担当者一同の喜びである。新宿駅西口広場および地下駐車場は、竣工後、半世紀を迎えるが、その建設記録は残念ながら断片的な資料しか残っていない。幸い、当時の坂倉準三建築研究所の担当者たちが資料を集め、調査し、記憶を甦らせて、まとめたのがこの本である。この機会に建設当時の記録が出版され、一つの戦後史として将来への参考になれば幸いである。(阪田誠造)
■目次
・序文 坂倉竹之助
・まえがき
・第1章 建設経緯
計画の始まり/基本設計の経緯
実施設計と監理の経緯/竣工後の西口広場
・第2章 新宿駅西口広場の記憶
新宿副都心開発計画における駅前広場の立体的造成(堀内亨一)
都市施設としてのターミナル周辺:その複合化の生態について(東孝光)
新宿駅西口広場と自動車駐車場の設備(森新一郎)
・第3章 坂倉準三と都市デザイン
坂倉準三の人柄と人脈 そして都市デザイン(藤木忠善)
坂倉準三の建築に隠れた都市性の発見 萬代恭博
輝く都市(La Ville Radieuse)
坂倉準三の見た1930年代のル・コルビュジエ・アトリエにおける実験(山名善之)
・資料編
新宿駅西口広場及び地下駐車場・小田急ビル
建設経緯年譜/新宿駅西口広場及び地下駐車場・小田急ビル
参考文献・坂倉準三の都市デザイン関係
新宿駅西口広場 建設関係者資料
著者:新宿駅西口広場建設記録刊行会
出版社:鹿島出版会
サイズ:B5
ページ数:132
発行年:2017.02