
消えゆくアジアの水上文化
アジアの水辺に残る、多様性を極めながらも個にして普遍的な水辺の暮らしと、近代化のうねりを受け、その変容する姿を見つめる。
アジアの水上住居は原始的のようでいて、環境と一体化する生活空間は今日的な示唆に溢れている。自然の脅威を回避し、快適で持続可能な環境をつくる知恵は伝統文化の賜物である。しかし、急速な都市化の波でこうした空間がいま減少しつつある。10年前は萌芽にすぎなかった現代社会との摩擦に注視しながら、価値あるアジアの環境的な空間づくりをフィールドワークの成果からビジュアルに読み解く。失われつつある貴重な生活文化の記録。
■目次
・序にかえて
・Chapter1
消えゆく水上居住
・Chapter2
アジアの水上の暮らしと住居の変化
フィリピン・パラワン島のバランガイ
インドネシア・フローレス島の元漂海民集落
タイ・パンイ島の海上集落
カンボジア・トンレサップ湖の湖上集落
インドネシア・テンペ湖の浮家住居
・Appendix
日本の水辺の暮らし
舟小屋の変化
消えゆく川面の牡蠣船
著者:畔柳昭雄、市川尚紀、舟岡徳朗共
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:164
発行年:2018.08