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イタリアの中世都市 アゾロの建築から領域まで

セール価格 5,500円(税込)

北イタリアの丘陵都市アゾロの領域では、地形に即した建築、農産業が美しい景観を創出する。本書では、その空間形成の持続と継承の歴史を辿る。

北イタリア、ヴェネト地方を代表する美しい丘陵都市アゾロ。

アドリア海に面するヴェネト州は、かつてヴェネツィア共和国の大陸領土(テッラフェルマ)と呼ばれた地域である。同州は広大なヴェネト平原から急峻なアルプス山域にいたる多様な地理条件が特徴で、丘陵都市アゾロは平野と山地の中間地帯にある。平野部の多くの都市が鉄鋼業や製粉業、製材業などによって近代化を遂げ、都市の風景を変貌させたのに対し、アゾロではいまだ農業を基盤とした地域構造が残り、古きよき街並みが保たれている。

この歴史的な都市アゾロを対象に、日伊の建築学・歴史学・地理学の専門知を結集し、丘陵地帯の裾野で展開する都市領域(テリトーリオ)の形成と再編成の過程を辿る。 

■目次

序 アゾロへの視点

第一章 テッラフェルマの風景

I ヴェネトの領域と地理的多様性

II 地図と風景

III 農業景観の過去と現在

寄稿1 ヴェネト州の都市と地域の空間構造

   -地形と河川からの視点を中心として 陣内秀信

第二章 中世ヴェネトの都市と領域

I 中世ヴェネトの領域

II 準都市と河川 バッサーノとブレンタ州

第三章 アゾロの都市形成

I ひらかれた囲繞都市

II 古代・中世における水

III地形と都市組織

IV ポルティコと都市空間

寄稿2 トスカーナ小都市の基層と地域形成 野口昌夫

第四章 アゾロの建築

I 建築意匠の特徴

II 建築素材

III 都市住宅

IV 水車小屋

V ヴィラ

寄稿3 カテリーナ・コルナーロとアゾロ 渡辺真弓

第五章 アゾロの領域と風景

I ヴィラと地域社会

II アゾロ近郊の農地組織

III ヴィラと農村

著者:伊藤毅

出版社:鹿島出版会

サイズ:A5

ページ数:536

発行年:2020.04