
地域文脈デザイン まちの過去・現在・未来をつなぐ思考と方法
地形や空間が改変され、社会も更新される事態において、いかにして地域文脈は継承されうるか。
地域文脈の読解とデザインを考える。
「新たな生業・社会・場所をいかにして導入し『地域文脈』の再生や創造に向けて駆動させることができるのか。地域の人々がいかにしてまちづくりの創造と進化を問うための高度な議論の仕組みを構築することができるのか、そもそも「地域文脈」の読解と定着ができる人材をいかにして育成するのか。」本文より
■目次
序文
はじめに
第一部 地域文脈論の系譜
1章 地域文脈論の3つの波
2章 建築集合 建築家・建築史家による地域文脈論
3章 都市空間 都市計画家による地域文脈論
4章 自然生態 ランドスケープアーキテクトによる地域文脈論
第二部 読解のデザイン
1章 地域文脈を「読み解く」とはどういうことか
2章 地域文脈をとりまく社会情勢の変化
3章 空間組織から社会組織へ
4章 社会組織の変貌
5章 第3波における地域文脈「読解」の課題と定着への足がかり
カタログ
カタログの位置づけ
新たな読み解き1 区画整理という制度
1 区画整理の変質に現れる地域文脈 帝都復興土地区画整理事業
2 文脈を縫合する歴史的視点による区画整理の読解 東京戦災復興区画整理事業
新たな読み解き2 建築から集落・都市・地域のスケールへ
3 建築履歴から読み解く都市の地域文脈 松江の官庁街
4 動態的ティポロジア 台湾から
5 生業の転換と空間の適応 佐渡市宿根木集落
6 スペースシンタックス分析で読み解くパサージュ形成の文脈 プラハの都市空間
7 自然環境の構造から読み解く郊外住宅地開発 千里ニュータウン
新たな読み解き3 読み解く主体
8 都市計画と土地の履歴から読み解く初期再開発街区 藤沢391街区
9 暮らしの記憶と歴史的町並み 水郷佐原
新たな読み解き4 災害復興
10 市街地復興の「基準線」としての地域文脈 スコピエ復興
11 リセットされた集落空間と持続する社会組織 ジャワ島中部地震被災集落の復興過程
12 三陸の漁村と反復する津波
第三部 定着のデザイン 読解からの実践
1章 地域文脈の「定着」とはどういうことか?
2章 グローバル資本主義下における地域文脈の定着のデザイン
3章 縮退社会における定着のデザイン
4章 災害・復興における定着のデザイン
5章 定着のデザインが示す可能性と課題
カタログ
カタログの位置づけ
農村における災害後の定着のデザイン
1 災害後の生活文化と社会組織の創造的復旧 新潟県中越地震・山古志村
地方中小都市における定着のデザイン〉
2 都市再生事業による空間組織の保全活用と社会経済の転換 イタリア・ウルビノ
3 地域文脈の読解と定着の専門職能の教育と実践 近江環人地域再生学座
郊外住宅地・ニュータウンにおける定着のデザイン
4 道と緑の改善による社会空間構造の再構築 豊中市・スロープ公園
5 地域の記憶を継承するグリーンマトリックスシステム 港北ニュータウンの近隣住区論
6 せせらぎと農地とグリーンマトリックスシステムの接続 港北ニュータウンのグリーンインフラ(緑地系統)
大都市圏・都心部における定着のデザイン
7 地域主導の創造的な地域文脈の継承 銀座デザインルール
8 都心開発地区と景観まちづくり 汐留シオサイト
第四部 再び、フィールドでの模索と展望
1章 地域文脈デザインのチャレンジ 都市の現在的課題のフィールドで考える
2章 神宮外苑の地域文脈 フレームを問い直し、フリンジを再検討する
3章 筑波研究学園都市 地域文脈の解体と醸成
4章 福島原発被災地 破断と再編
あとがき
著者:日本建築学会
出版社:鹿島出版会
サイズ:A5
ページ数:288
発行年:2022.11