
アマルフィ海岸のテリトーリオ
南伊の都市、アマルフィ。中世からの海洋都市、イスラーム世界の文化、時空の積み重なる迷宮都市群とそのテリトーリオを読み解く。
アマルフィの人びとは「ひとつの足はブドウ畑に、もうひとつの足は船に置く」。
海を望む斜面に高密な迷宮空間を築き上げたイタリアのアマルフィ海岸の都市の魅力は、世界文化遺産の“世界一美しい海岸”で知られる海辺の美しい景観だけではない。アマルフィ海岸の人びとにとって、海と内陸部の山の関係は強く、その両者の日々の生活のなかに存在した濃密な関係性がこの地域の豊かさを生み出してきた。
田園に点在する農家や教会などの建築群、周辺に広がるレモン、オリーブ、ブドウなどの農地や山林、海と山を結ぶ小道、美しい海岸線などが生むランドスケープ。中世からの海洋都市に影響を与えたアラブ・イスラーム世界の文化をはじめ、時空の積み重なる迷宮都市群とそのテリトーリオ(地域/領域)を四半世紀に及ぶ徹底的なフィールド調査で読み解く。
著者:陣内秀信、稲益祐太
出版社:鹿島出版会
サイズ:菊
ページ数:390
発行年:2025.01